今後の介護業界に必要なのはIT技術?それとも人手?

変わる高齢者の暮らしと介護
大きく変化している高齢者の暮らし

少子高齢化が進んでいる今、高齢者の暮らしは以前と大きく変わりました。介護サービスもIT技術の進化やAIの導入によって新たなものが次々と誕生しています。

IT技術によって人手は必要なくなるのか?

IT技術によって人手は必要なくなるのか?

ITとAIで大きく変わる介護業界

人間の代わりに要介護者をサポートするロボットやAI技術で会話ができるロボットなど、介護業界におけるIT技術の発展は目覚ましいものがあります。この技術は今後ますます発展していくことが考えられるため、新たなサービスが次々と生み出されていくことでしょう。

人手は必要なくなるのか?

介護ロボットは業務を効率化し、スタッフの負担を軽くすることを目指しています。しかし、中には「負担が軽くなることで人手が必要なくなる」「ロボットが人間に取って代わるのではないか」と考える人もいます。ですが、介護の中心となるのは「人」です。どんなに便利で高スペックな介護ロボットが登場したとしても、操作し、管理するのは人間です。人間がいなければ介護ロボットは力を発揮できないのです。
介護はスムーズに介助することに注視しがちですが、要介護者の気持ちに寄り添い、思いやりの心を持って介護することが何よりも大切です。要介護者の気持ちを思いやり、孤独を感じないように社会や地域の人とのつながりを作ることは人間にしかできません。

批判されることも多い介護ロボット

介護ロボットを導入することで業務が効率化され、スタッフの身体的な負担を軽減する反面、「実用性がない」「手作業の方が早い」といった意見や「高額であること」「操作が難しい」などが原因で普及が進んでいないのが現状です。どれほど高スペックなロボットでも、現場で使えないのでは意味がありません。
どんな介護ロボットを必要としているのかを把握し、分析するためには実際に使用してデータを取る必要があります。しかし、普及していないのであればデータを収集したくてもできません。介護ロボットが普及するためには、現場が使いやすい介護ロボットの開発はもちろんですが、介護ロボットを適切に扱えるスタッフを増やしてデータを収集することも必要なのです。

新しく創設された「スマート介護士」

2019年3月に新しく創設された「スマート介護士」は介護ロボットやセンサーを活用して介護の質の向上や業務の効率化を図ることを目的とした資格です。
介護ロボットが普及しなかった理由のひとつに適切に扱える人が少ないことが挙げられますが、スマート介護士の資格保有者が現場に増えることは介護ロボットを適切に扱える人が増えるということです。介護ロボットの普及を促すことにもつながりますし、導入が進めば「介護ロボットは実用性がない」という意識を変えることもできます。
介護ロボットはこれから先も発展していくことが予想されるため、スマート介護士は将来的に介護業界で働く人のスタンダードな資格となるかもしれません。

これからの介護